工具について

SQ雑記帳
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はじめに

電子工作プロジェクトで用いている工具について紹介します。

一般的な工具

  • はんだこて。
    メインのハンダコテは温調タイプにしましょう。ハンダゴテは2本は用意して片方は細いコテ先に交換しておくといいですね。
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  • はんだ。
    ハンダも通常品のほか、表面実装部品用に細いものを用意しておいた方が断然作業効率が良いです。
    また基板洗浄用に フラックスクリーナー も用意しておきます。 コスパ・使い勝手から サンハヤト製 FL-500 を推奨します。 フラックス残渣が電子回路で物理的トラブルを起こすことを防止します。
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  • はんだ吸取器。
    ハンダ手直しや部品の取外しに必要となるはんだ除去器具。①はんだ吸い取り線、②手動ポンプ式の吸い取り機、 ③サンハヤト社 はんだシュッ太郎 など使ってきましたが、 スルーホールを50も100も500も?!頻繁に除去するならハイパワー吸取器をさっさと買ってしまいましょう!。 作業効率が段違いだしストレスほぼなく綺麗に取れます!
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  • ピンセット。
    色々試しました。長年、廉価品(上段)でしたがもっと早く精密ピンセット購入すべきでした。
    個人的には HOZAN の スイス製・非磁性・精密ピンセット P-657(中段)を好んで使っています。 ただ細かい表面実装部品の作業で定評がある精密・逆作用ピンセットP-652(下段)は、自分は慣れることができず使いこなせていません。
      工具 精密ピンセット HOZAN
  • 圧着工具。
    ケーブル先端に端子圧着するのも結構大変なので圧着工具を買いましたが作業効率雲泥でした。買ってよかったです。
    圧着工具はコネクタを取り付けるためですが、電源ケーブルやら信号ケーブルは抜き差し出来るようにしておかないとメンテナンスがやりにくくなります。
     

一般的な計測機器

  • テスター、デジタルマルチメーター。
    コンパクトなモノが使い勝手よいですが、大型の高精度品も必要に迫れれば購入しましょう。
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  • オシロスコープ。
    オシロは製造不良や発振を調べるために必須です。未計測の状態でスピーカーやヘッドホンを繋いで壊したら目も当てられません。
    デジタル・オシロスコープは2ch 20MHzでも大丈夫です。 最近は中国製の安いエントリ品でも十分過ぎる性能があります。価格破壊進み過ぎており悩まず買ってしまいましょう。
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小さい表面実装部品への対応

  • 装着型ルーペ。
    0.65mmピッチの表面実装部品をハンダ付けするなら装着型の拡大鏡は不可欠だと思っています。 ハズキルーペ 1.6倍 ~ 1.85倍はとても使い勝手が良いですが、探すと格安品の2.5倍ヘッドルーペとかもあります。 後述の廉価デジタル顕微鏡も候補になりそうです。
     
  • 高倍率ルーペ。
    ハンダ付けの点検作業にはもっと高倍率が欲しくなります。 表面実装部品をリフローはんだ実装する場合もハンダ付け点検に高倍率ルーペ(10倍以上倍)が必要になると思っています。
    個人的にはルーペには 装着型 (接眼型)、 株式会社京葉光器 LEAFルーペ EYA-100 (x10倍) を主に使っています。 手ごろな価格と使い勝手の良さが気に入っています。 とはいえTSSOP(0.65mm)をしっかり確認しようと思うならピンポイント点検用に EYA-150 (x15倍) または EYA-200 (x20倍)が欲しくなります。 ちょっと高いですが自分はEYA-200 を併用して使っています。 高倍率になるほど使い勝手は劣りますが、細いピッチも良く見えてお勧めです。 なお高倍率品は取扱店舗がほぼ無く購入するなら直接メーカー問い合わせたほうが早いです。
      京葉光器 LEAFルーペ EYA-100 EYA-200
  • SMDクランプ
    小型基板に表面実装部品を固定するツールは、表面実装部品のハンダ付けがとても捗って買ってよかったと思う逸品でした。
      工具 SMDクランプ
  • リフローはんだ 一式
    小さい表面実装部品が多数ある場合、それを複数個作るなら是非とも欲しい工具です。
    ①ホットプレート、250℃以上まで加熱できて基板サイズ 10cm x 10cm まで出来るものが望ましいです。 中国製だと価格は安いものの正直ピンキリで、出来れば信頼できる実用評価レビューが複数あるような商品を買う位ですかね。
    その他、②クリームはんだ(ソルダペースト)、③金属ブラシ、④プラスチックのヘラ、⑤洗浄用アルコール(無水エタノール)、⑥フラックス(粘度調整)など道具・薬剤も用意します。
      リフローはんだ 中国製ホットプレート 加熱   .

高電圧への対応

  • 電気絶縁手袋
    高電圧の電子工作には業務用の絶縁手袋が必須です。 絶縁手袋の中では比較的薄手な交流300Vタイプです。
    電子工作でも電源電圧±180V、バイアス+580Vといったものも扱っています。
      高電圧の電子工作 電気絶縁手袋
  • 高電圧プローブ
    オシロスコープ用の高電圧プローブ 100:1 も2個は必要です。 これがあれば高電圧アンプの信号波形を計測出来るようになります。
      高電圧の電子工作 高電圧プローブ 100:1

デジタル顕微鏡

高倍率ルーペは使い勝手が良いのですが、高倍率では確認できる範囲が限られ、 光源や焦点距離の問題で隅々まで確認できないことがしばしばありました。
最近はデジタル顕微鏡としてHDMI出力でモニターに映せるタイプも廉価にあるようです。 中国 AliExpress をみると産業用デジタル顕微鏡というものがゴロゴロしています。 ただ激安でも品質はピンキリと思われるし、レンズ・カメラの一式セット品も怪しいモノばかり、海の物とも山の物ともつかず手が中々出ませんでした。

安いセット品を買って勘所得てからアップグレードというのは遠回りと思われたので、優先度をつけて用意することとしました。

  • メインの産業用カメラ(CMOSセンサー、Cマウント)はレビュー動画を見かける品質が確かなものを。
  • Cマウントレンズ(CSマウントレンズ)は見当が付かないので複数メーカーの安いのを数本購入して博打。
  • 光源はレンズ取付できるLEDリングライトの安いヤツをとりあえず。
  • レンズが仮なので、固定台は手持ちの三脚雲台を使うように。

カメラは4K解像度のもの、メーカーで選びましたが全く問題無かったです。
Cマウントレンズは130倍~180倍で探しましたが、黒いヤツはズームすると焦点距離も変わってしまい作業に向かないものでした。 青いヤツはそれより多少高価なだけあって及第点は超えているレンズでした。
光学系商品は技術力が要る分野だと思っていますが、アリエクだと製造メーカーがサッパリ分からず博打にならざるを得ません。 あとアリエクは同じ商品を複数店舗で扱っているので若干の価格差なら口コミ評価が多い店から買う位の対策は要るかも。
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暫定設置のデジタル顕微鏡です。 一般カメラ用三脚にZ型雲台を取り付け(1/4インチネジ)、Z型雲台に産業用カメラを取り付け(1/4インチネジ)、 カメラにC-mountレンズを装着、レンズにはLEDリングライトを3点ネジ止めします。 三脚バランスとるため水を重りにしています。
得られる明るい高倍率映像は素晴らしいですね。USBメモリに画像を残すこともできます。 TSSOP 0.65mmピッチもクッキリ。
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課題は複数残っていまして、やはり固定が十分ではなく振動に弱いです。キッチリ固定できるものを検討したいですね。
あとLEDライトが基板で反射して少し見難いところがあり、偏光フィルムでなんとかしたいところです。 偏光付きLEDリングライトだとレンズ径に合う奴が見つからなかったのですよね。
なおPC接続も認識したもののWindows OS汎用UVCカメラモードで高解像度利用が出来ておらず保留中。

自作の補助工具など

  • Digilent社 AnalogDiscovery

    自分の電子工作では小さいモジュール部品を多数作成することもあり、単体テスト用にテスト基板が欲しくなります。 今まではブレッドボードで作業していましたがそれすら面倒になってきました。
       
    ちゃんと測定するなら激安プリント基板を設計したほうがノイズ耐性も上がり、計測精度も向上して良いと思います。

    ネットワークアナライザにて周波数特性歪率を計測したいと長年思っていたのですが、 デジレント社 Analog Discovery という教育用途の機器があることが分かりました。 現行品AD3は2025年の円安もあり高額だったので新古品AD2を輸入。
    なおAD2(3)は14bitではあるものの小さい入力信号計測に弱かったり値段なりなところもありますが、 なんといっても FRAplus という フリーソフトの使い勝手が良すぎてこのためだけに買ってもいいくらいだと思いました。 AD2(AD3)は絶対評価には厳しい部分もありますが、自前の電子工作の相対評価には十分使えそうな手ごたえがあります。

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    モジュール計測用基板(テスト基板)に接続すると容易に計測が可能となりました。画期的でした。
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    FRAplusにて計測した信号はグラフ重ねてプロットすることができます。 細かいところまで手が届く作り込まれたソフトでビックリします。
    グラフは周波数特性で、緑が旧モジュール基板(HBC)、青が現モジュール基板(HDB v1)、赤が改良モジュール基板(HBD v2)ですが、 縦軸拡大すると差異が良く分かります。スゴイ。
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    計測用基板ですが、プリント基板は10x10cm以内だと廉価に作れるので、折角なら複数モジュール対応とします。
    ピンソケット30P(2×15) が干渉しないように配置することで5用途に対応させました。
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    プリント基板のガーバーデータなどの製造資料については公開を予定しています。

  • PICkit
    PICマイコンにプログラムを書き込む為にプログラマ(インサーキットデバッガ)の PICkit は開発に不可欠なものです。 現行品は PICkit5、および、廉価な MPLAB SNAP になります。秋月電子の定番ICSP書き込みアダプターキット(要組立て)を合わせて使っています。
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上記以外の工具

  • 非接触温度計(廉価品、工業温度計)。
    ヒートシンク温度を手で触らず調べるのに重宝しました。 だいたいの精度ですけど傾向を見るだけですから問題ありません。複数点計測すると大丈夫でしょう。
     
  • ハンドドリル+簡易ボール盤。
    ケースなどの加工に欠かせないハンドドリル。 このドリルを取り付けて簡易的にボール盤にする器具があればキッチリ加工できるようになります。
    固定台を導入した当初目的は感光基板(サンハヤト)の多数の穴あけでしたが、 現在は廉価基板発注によりその用途は無くなってしましたが、まだまだ色々と使います。
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