新 高電圧アンプ基板
(簡素化・安全性強化)

SQ雑記帳
部品サブプロジェクト


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サブプロジェクトについて

はじめに

音質的にはとても気に入っていた 静電型ヘッドホン用アンプ v2 ですが、出力素子 GaN FET を安定動作させることができず 運用断念してしまいました。
その心地よくてずっと聴いていたかった、温かみありつつ解像度高めの中高域は透明感ある独特の音、 どうにかして近い音を実現できないか?!、GaNではなく低オン抵抗MOS FETではどうか?。 色々案を練りまして再度プロジェクトを立ち上げることにしました。

1に安定動作、2に GaN に近い音質。
これらを実現するために前回プロジェクトの反省点から、まずは部品点数の大幅削減が重要だと考えました。 回路を単純化できなくても、たとえば多用するサーボ回路のモジュール化による再利用促進(別基板に流用容易)すれば製造工数削減につながります。 あと故障調査への配慮、保護回路の抜本的な見直しも必要になります。

コンポーネント:OPM-LSV、OPM-HV (オペアンプモジュール)

概要

DCサーボ用のオペアンプを周辺回路含めてモジュール化すると別基板に流用できます。 前回、15枚以上も出力基板を手作業でこつこつ製造しましたがサーボ周りは地味に大変でした。 今回は保護ダイオードを更に追加するので部品流用効果がありそうです。2層プリント基板製作においては子基板に分離すると配線も楽になりますし。

あと難題がありまして、400V耐圧のオペアンプ、しかも RRIO OP-AMP ( rail-to-rail input and output operational amplifier 、レールツーレール フルスイング) 特性であるものを用意する必要がありました。 ディスクリートで設計するしかありませんが、LTspice シミュレーションで試行錯誤しましたがなかなか思ったようにRRIO動作しません。 諦めていた所、海外自作erの単純オペアンプ回路を見つけて、それを両側に拡張することで実現に目途をつけました。

回路図

OPM-LSV
DCサーボオペアンプモジュール。サーボ前後では信号電圧±200Vで動作していますが、 入出力に高抵抗(1MΩ)もあり直接高電圧がかかることは無いと思いますが、保護は念入りに行っています。
  回路図

OPM-HV
400V耐圧ディスクリートオペアンプ(RRIO)。抵抗値決めるのが難題でした。 なお音声信号以外の用途向けであり高精度は要求されないことからオフセット調整等は省いてシンプルな回路にしています。
  回路図

基板デザイン

ピン配置は同じにしました。こうすると別途作るモジュールテスト基板で同じようにテストできます。

  PCB   PCB

コンポーネント:入力増幅段

検討中。
ここで静電型ヘッドホンから音出すだけなら入力増幅段だけでも出来るはずです。 プリアンプで一般的なヘッドホンを鳴らすイメージといいますか。 そういう観点から、今回も出力段を別基板にする方針としました。

コンポーネント:出力段

検討中。

GaNではなく低オン抵抗MOS FETではどうか?
低オン抵抗MOS FETはスイッチング電源のコアコンポーネント、半導体各社が力をいれており多数の品種があります。 とはいえ巨大入力容量 Ciss はドライブ出来なさそうなので、程々のものを各社から選んだもので音質比較が必要になりそうです。 出力素子の繋ぎ換えの容易さも設計考慮事項になります。

なお Nch FET しかないので準コンプリ回路案 かつ V11.x バイアスサーボ方式 を検討しています。

GaN アナログアンプ再検討?!

2025年12月、個人的に驚いた製品がありました。 iBasso社 Kunlun ヘッドホンアンプ です。 iBasso社はその前の2025年8月に DAP向け拡張カード AMP17 という製品をリリースしていましたが、普段使わないDAP用ということで深く調べることはしていませんでした。
これら2製品は個人的に初めて見た GaN-FET 出力段のアナログアンプでした。 私も、インターネット上で見かけた複数の自作er先人の方々も、安定動作できていなかった GaNアナログアンプをどういった技術で実現したのか?! 興味が湧き調べてみました。

  • AMP17は Nexperia E-mode GaN HEMT (海外の高解像度写真で刻印 7RO ELBE 確認)
  • AMP17は GAN x8 であり、DAP低消費電力かつ低電圧もありBTL駆動?
  • Kunlun は 2SB1185 x8 があり、GaN FET + BJT 構成。恐らくカスコード(あるいは異種ダーリントン?)

AMP17・Kunlun いずれもGaN HEMT損失抑えて損傷防止設計したということでしょうか。低消費電力HPAであれば電源電圧±15V程度でも十分ですし。

以前の静電型ヘッドホン用アンプ試作では旧Transphorm社(現Renesas社) GaN-FET カスコード型を使っていました。 カスコード型を販売しているのは Renesas社 と Nexperia社 になります。 GaNも年々進歩していて、2025年度のデータシートをみるとSOAにDC表記があります?!。

  datasheet   datasheet

ここでカスコード型 GaN-FET D-mode はこれまでの実績があり設計は楽ですが、とても高価で品種が少ないという欠点があります。 iBasso AMP17 で使用された GaN-HEMT E-mode は個人的実績がないものの製造半導体メーカーも複数存在しており、半導体素子の価格は結構下がります。 DC記載は Nexperia社 および infineon社 の製品にあります。

  datasheet   datasheet

静電型ヘッドホン用アンプでは耐圧400V以上必要なため、650V品を選定することになります。
このinfeneon社のSOA (安全動作領域)は非常に示唆に富むものです。 厳しく見れば 電源電圧±180Vで素子125℃なら1mA、甘く見て電源電圧±180Vで素子25℃で1kHz信号なら30mA 程度ですかね。
逆に言えば、電源電圧を低めに設定して、半導体素子を徹底的に放熱して、 アイドリング電流を絞りに絞ってAB級ではなくB級として設計、これらにより飛躍的にGaN安定度を高められそうです。
更にその上で適切な保護回路、Vgs保護、サージ電圧保護、発振防止、万一の過電流保護 等を組み合わせる事で実現できそうだと思えました。
なんといっても世の中には既に製品があるのですから!

続く・・・