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本サブプロジェクトは、高電圧の定電圧電源プリント基板を設計・製作します。
本プリント基板は部品として各プロジェクトで利用します。
静電型ヘッドホン用アンプ を試作することにしましたが、
高電圧アンプの入力増幅段・出力段の音質向上につながるように高電圧側についても
安定化電源回路・定電圧電源 とすることとしました。ただし高電圧にて使える電源用ICは無いのでディスクリートで作ることになります。
本サブプロジェクトでは下記2つの設計検討を行います。これらは組み合わせて高電圧電源回路となります。
高電圧回路については経験・勘所は全く無く、シミュレーションだけでは分からないことも多く、まずはえいやっ!で試作設計してみることとします。 恐らく設計・製造・利用それぞれの段階にて反省点が多数見つかるのと予想しており、将来的に反省点を生かして改めて電源再設計したいと考えています。
プリント基板のガーバーデータ、詳細部品リストなどの製造資料について公開を予定しています。
お待ちください。
廉価プリント基板製造の制約(10cm × 10cm 以内)もあり、複数プリント基板で電源回路を構成しています。
高耐圧電解コンデンサのサイズが大きいため仕方なくだったのですが、
基板分割することで半分だけ入れ替えることができ部分的な改善作業を行える利点もあります。
別ページ「工具について」にまとめました。
『 SSDRV PowerSupply1 』は出力電圧 ±180V を想定した高電圧電源の後半部分になります。
後述の PowerSupply3 と合わせて使います。
作業時期は詳細設計開始 2023年1月、プリント基板発注 2023年3月末、音出し 2023年5月です。
本サブプロジェクトでは高電圧の正負安定化電源を作成しますが、ディスクリートでの設計となります。
電源回路は CQ出版社「定本トランジスタ回路の設計」
に記載されている直流安定化電源の正負電源版の回路をベースにしていますが、
電流源を工夫しているというか妙な構成になっています。
なお整流ダイオードと平滑コンデンサは(廉価プリント基板製造の10x10cmサイズ制限もあり)別基板としており、
整流平滑後の安定化電源回路のみになります。
高電圧電源 SSDRV PowerSupply1 全体の写真です。
写真:左はSSDRV PowerSupply1基板です。
写真:右は静電型ヘッドホン用アンプの電源回路の全体です。
上からPowerSupply1(高電圧安定化電源)、PowerSupply3(バイアス電圧、兼、高電圧整流平滑)、PowerSupply2(低電圧安定化電源)
となります。
電圧可変もあり負荷抵抗を繋いでテスターで計測しつつ電圧調整しています。縦に積めるように基板サイズとマウント用ネジ穴位置は統一しています。
プリント基板は2層(表・裏)です。電圧が高いのでプリント基板のクリアランスもその分広くなっています。
この基板には平滑用コンデンサは含んでいないのですが、高耐圧なこともあって1uF~10uFでも結構な大きさになります。
RLCローパスフィルタも場所をとっています。インダクタの下は各種文献にしたがいベタを抜いています。
あと可変抵抗や端子の間にチップ抵抗などを配置してしまい、定数変更したいときのはんだごて作業が高難易度化してしまい大変でした。
(素人設計だし再調整が必要なことも多々あるし)基板デザイン時に定数調整しやすいように部品レイアウトを心がけるべきでした。反省ばかりです。
まず注意点ですが、電源を切ってもコンデンサに電荷が溜まっており危険です。 電源オフしたときは、出力(正負)とバイアス電圧に負荷抵抗(数kΩ)繋いで電荷を必ず抜くようにします。
次の段取りで実施しました。
電源の接続図です。動作確認用に仮組します。
負荷抵抗を繋いだ状態で計測・調整します。
詳細確認として電源電圧をオシロスコープで計測します。
波形:右上では電源オンからの電圧変動を確認していますが問題なさそうです。
波形:右下は水色が安定化電源の入力電圧(整流平滑直後のリップル、AC成分表示)、黄色が安定化電源の出力電圧(AC成分表示)です。
電源性能の評価は正直良く分かりませんが電源性能としては(素人設計としても)今一歩なのではないかと感じています。
LTspiceシミュレーションで回路検討を進めたとき、 整流平滑リップル影響の影響がそれなりにありました。 具体的には電流源がリップルにより変動してしまい、出力電圧にも影響をあたえていました。 その対策としてローパスフィルタとカレントミラーを組み合わせて対処していますが、 正直言うとプリント基板の場所を取った割には効果薄くて失敗しました。次回電源作るときには抜本的に回路について見直す予定です。
『 SSDRV PowerSupply3 』は出力電圧 ±180V を想定した高電圧電源の前半部分になります。
前述 PowerSupply1 と合わせて使う電源回路です。
作業時期は詳細設計開始 2023年1月、プリント基板発注 2023年3月末、音出し 2023年5月です。
本サブプロジェクトで作成する電源プリント基板は2つの役割があります。
1つ目は高電圧安定化電源(SSDRV PowerSupply1)に供給するための整流平滑回路、2つ目は静電型ヘッドホン用の580Vバイアス電圧回路です。
前者は(廉価プリント基板製造の10x10cm)サイズ都合にて基板分割しています。
後者はコッククロフト・ウォルトン型高電圧回路なのですが、整流前トランス2次電圧が必要となるため基板同居させています。
高電圧電源 SSDRV PowerSupply3 全体の写真です。
写真左はSSDRV PowerSupply3基板です。
(スイッチング電源用)低ESR電解コンデンサ 250V 100uを並列で並べています。高耐圧のためサイズが大き目ですが配置工夫して詰め込んでいます。
手前のフィルムコンはバイアス電圧回路です。
写真右はバイアス電圧を計測しています。
調整用可変抵抗を小さくしていることと、RCフィルタ影響の電圧降下もあって、かなり電圧が低い状態です(対処法は後述)。
プリント基板は2層(表・裏)です。電圧が高いのでプリント基板のクリアランスも広くなっています。
バイアス電圧回路部分はGNDベタを抜くか悩みましたが本設計では残しました。
まず注意点ですが、電源を切ってもコンデンサに電荷が溜まっており危険です。 電源オフしたときは、整流平滑の出力(正負)とバイアス電圧に負荷抵抗(数kΩ)繋いで電荷を必ず抜くようにします。
電源を接続図のように仮組します。
テスターを使い、平滑整流後の正負電源電圧が設計した電圧であることを確認します。
次にバイアス電圧を調整します。 ここでRCフィルタがあるため出力端子で計測すると、テスターによっては計測電圧が低下して正しく測れません。 よってRCフィルタ前(D33とR33の間(※D33リード))で電圧計測して調整するか、あるいは高性能テスタを使うことが必要になります。
特に問題無く、今のところは改善予定はありません。
強いて言えば電解コンデンサを10~14個搭載できれば部品自由度が上がりますが、
廉価プリント基板10×10cmに収めるとなるとバイアス基板を分離も必要になるので悩ましい所です。
作り直した低電圧電源「SSDRV PowerSupply2 v2 ULNR」は非常に良い成果が得られました。
超低ノイズ・高PSRRだけどとても高価な LT3042 / LT3093 の性能によるものですが、
2段レギュレータなどの回路構成も必要な要素だったと認識しています。
ならば高電圧電源も同じような「2段レギュレータ」として構成し、
更にLT3042などの高性能レギュレータICの等価回路を参考に高性能アイデアを幾つか取り入れてみることにします。
電源電圧 ±180V 、その入力電圧は 200V 超となるとディスクリートで設計する必要があります。耐圧±200V級のディスクリート・オペアンプも不可欠です。
設計するものが多くてとても大変ですが、低電圧での成功例があるのでコツコツ設計を進めていけば出来ると信じています。
検討中の案です。
2段レギュレータとなっており、まず前段レギュレータで大部分のリップルを取り除きます。
後段レギュレータで残留リップルを除去しつつ回路別(左・右、hot・coldなど)に供給して相互負荷影響を軽減します。
高電圧の安定化電源については高耐圧トランジスタを使いディスクリートで構成することになります。
2段レギュレータとすると電圧降下が大きくなってしまうのでLDO型を使いますが
LDO型は回路規模など悩ましい点も多い事もあり、一般的かつ簡素なシリーズパス型を組み合わせることとします。
また高精度な安定化電源回路とするためには基準電圧も重要であるため、単純なツェナーダイオードではなく基準電圧回路を別途用意します
回路図:左の前段はCQ出版社「定本トランジスタ回路の設計」に記載されている直流安定化電源の正負電源版のものです。
回路図:右の後段はLDOレギュレータ回路構成をとっていますが、実際には数Vの入出力間電位差が要るので Low Dropout というわけではありません。
この前段は1回路、後段は子基板にして2~4回路を動作させる予定です。またレギュレータの前に使う整流平滑は
前述「SSDRV PowerSupply3」を流用します。
リップル除去率を高めた高精度な電源とするためには、高精度な基準電圧 ±180V が必要となります。(前段のように抵抗比で出力電圧を作ると少なからずリップル影響を受けてしまうため)
案としてはまず±12V (±15V) 程度を作成して三端子レギュレータで±9V (±12V)を用意(回路図:左)。
高精度電圧リファレンスICにて基準電圧+5Vを用意、高精度オペアンプで基準電圧-5Vを用意(回路図:中)。
この基準電圧±5Vから基準電圧±180Vを作成して、RCローパスフィルタを通してLDOレギュレータに供給します(回路図:右)。
これらを成立させるには高電圧オペアンプが必要ですが、
流石に±200V級のものは無いのでディスクリートオペアンプを用意する必要があります。
LTspiceでシミュレーションするとわかるのですが、
このオペアンプは Rail To Rail で電源電圧近くまでフルスイングできるタイプが要求されます。
安定動作するRtoR OPAMPを設計するのは至難の業なのですが、正側はNch入力として負側はPch入力として使い分け、
さらにレギュレータ回路の Low Dropout 性能を目をつむれば簡単なdiscrete op-amp回路でもなんとかなりそうだと思われました。
トランジスタも400V前後の耐圧であれば辛うじてありますし。
なおRCローパスフィルタがつながることもあり変動要素の入力バイアス電流を抑えるためMOSFET入力になっています。
ただし凝った回路にすると安定性に難がある状況。差動増幅の負荷をカレントミラーにしたり、差動2段にしたりすると発振を抑えられず。
また電圧降下しやすくRail To Railから離れてしまうとレギュレータ動作しなくなり本末転倒になったり。もうちょっと検討が必要ですね。
なお世の中の既製品レールツーレール・オペアンプの等価回路を参考に色々試してみたのですが、動作させることが非常に難しく、
素人の自分にはとても設計しきれなくて早々に断念してしまいました。
まだまだ難あり。
設計検討中。